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「最近なんとなく視界がぼやける…」「明るい場所でもはっきり見えなくなった気がする…」
そんな症状を「歳のせい」と自己判断していませんか?
白内障は加齢だけでなく、生活習慣病や外傷、薬の影響など、さまざまな要因で若い方にも発症する可能性があります。
視力が低下すると、趣味や仕事だけでなく、外出や家事など日常のあらゆるシーンに不自由を感じるようになるものです。
今回は、白内障を先延ばしにした場合に起こり得るリスクと、早期に手術を検討することで得られるメリットを分かりやすく解説します。あなたの目の健康と生活の質(QOL)を守るためのヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
白内障とは
白内障は、水晶体(ピント合わせを担う透明なレンズ)が濁り視力が低下していく病気です。正常な水晶体は透明で光をよく通しますが、水晶体が濁ってしまうと、光がうまく通らず、ものの見え方が悪くなってしまいます。
加齢によって多くの方が経験する可能性がありますが、糖尿病や外傷、ステロイド薬の長期使用などが原因で、若年層にも発症するケースもあります。
白内障を放置するとどうなる?
視力低下による生活の質(QOL)の低下
白内障が進行すると、視界がぼやけたり、暗くなったりするだけでなく、色の見え方も変わります。具体的には、黄色や茶色が強調され、青や緑が見えにくくなることがあります。
このため、日常生活における様々な活動が困難になります。例えば、読書や新聞を読む際に文字がかすんで見えるため、集中力が続かず、「読む」楽しみが減少します。また、運転中に視界が不安定になることで、安全運転が難しくなり、交通事故のリスクが高まります。
さらに、テレビやスマートフォンの画面が見づらくなり、娯楽の楽しみも減少します。これらの影響により、社会活動への参加意欲が低下し、孤立感や抑うつ状態に陥ることもあります。
手術の難易度が上がる可能性
白内障が進行しすぎると、水晶体が非常に硬くなり、手術が困難になることがあります。
この状態では、手術にかかる時間が長くなり、術中の合併症リスクも増加します。例えば、眼内の組織に損傷を与えるリスクが高まり、術後の回復が遅れる可能性があります。
また、硬くなった水晶体を除去する際に特殊な技術や機器が必要となり、手術費用も増加することも考えられます。早期に手術を行うことで、手術自体が短時間で安全に行えるため、回復も早く、術後の合併症リスクも低く抑えられます。
さらに、術後には最新の人工水晶体を挿入することで、視力の質が大幅に向上し、日常生活が格段に楽になります。
他の目の病気を見逃すリスクと総合的な目の健康への影響
白内障の症状は、他の目の病気(例えば老眼、緑内障や網膜疾患など)の症状と勘違いすることも多く、これらの病気を見逃すリスクがあります。
白内障を放置している間に他の目の疾患が進行すると、視力回復のチャンスを逃すだけでなく、失明に至る可能性さえあります。
例えば、緑内障は視神経が損傷することで視野が狭くなり、最悪の場合失明に至ることがあります。
「歳のせいだから」、と安易に考えることで緑内障など他の重要な目の病気の早期発見・治療が遅れる可能性があるため、40歳を超えたら定期的な眼科検診が重要です。
総合的な目の健康を維持するためには、さまざまな目の病気にも注意を払い、適切なタイミングで治療を行うことが求められます。見えているから目は健康、という考えは落とし穴になりがちです。
心理的ストレスの増加
視力の低下が進むと、日常生活の不便さだけでなく、心理的なストレスや不安を感じる方も少なくありません。
例えば、視力が低下することで自立して生活することが難しくなり、他人に頼らざるを得なくなることがあります。これにより、自己評価が低下し、抑うつや不安障害を引き起こすことがあります。
これは家族に対する負担の増加にもつながります。また、視覚情報の不足により、趣味や仕事への意欲が低下し、社会的な活動からも遠ざかる傾向があります。
視力低下が起こることで認知症の進行が早くなり、あとで手術をしても認知症の回復はしないという報告もあります。
早めの治療を行うことで、視力の回復が期待できるため、これらの心理的な負担を軽減することが可能です。
さらに、視力が回復することで、再び自信を持って日常生活を送ることができ、精神的な健康も向上します。
白内障手術のメリット
白内障手術は、進行した視力障害を回復できる最も効果的な治療法です。
・安全性の高さ
現在の白内障手術は、超音波で濁った水晶体を砕いて取り除く方法が主流で、局所麻酔で10分前後と非常に短時間で行われます。体への負担が少なく高い成功率を誇るため、術後すぐに日常の生活へ戻ることができます。
・視力の質の向上
手術後に装着する人工水晶体(IOL)には単焦点や多焦点などさまざまな種類があり、ライフスタイルや視力ニーズに合わせた選択が可能です。これにより、「もっと早く手術を受ければよかった」と感じる方も多く、運転や読書などが再び快適になります。
・近視・遠視の同時矯正も可能
近視や遠視が強い場合、白内障手術と同時に度数をある程度矯正できるため、眼鏡やコンタクトレンズが手放せなかった方には大きな恩恵があります。
先延ばしにしないために
なんとなく見づらい、などの症状が気になり始めたら、早めに眼科を受診し、医師と相談することをおすすめします。
定期的な眼科検診を受けることで、白内障の進行状況を正確に把握し、最適な治療時期を判断することができます。
当院では、患者さま一人ひとりに適した最善の治療法を提案し、安心して治療を受けられる環境をご提供いたします。
視力は生活の質を大きく左右する大切な要素です。
例えば、趣味の写真撮影やガーデニング、料理、読書など、視覚を必要とする活動が再び楽しめるようになります。
また、職場での作業効率が向上し、仕事のパフォーマンスも向上します。ご自身の目の、そして全身の健康を守るためにも、ぜひ早めの行動をお願いいたします。
ストレスを感じながら治療を先延ばしにして我慢を続けたりせず、適切なタイミングで白内障手術を受けることで、明るく鮮明な視界を取り戻し、充実した日常生活を送ることができます。
まとめ
白内障は放置することで視力低下や生活の質の低下、手術の難易度上昇、他の目の病気のリスク増加、心理的ストレスの増加といった多くの問題を引き起こします。しかし、早期発見・早期治療によってそれらのリスクを回避し、視力の回復と生活の質の向上が期待できます。
・放置すれば視力低下や手術の難易度上昇、他の目の病気見逃し、精神的ストレスが増す可能性が高い
・手術は短時間・安全性が高く、回復後は快適な視界を取り戻せる
・定期検診(白内障の進行状況の把握)と早期の治療が最善策
ぜひ、ご自身の目の健康を守るため、未来を考え前向きに行動を起こしましょう。
さいたま市浦和区にあるこんの眼科、蕨市にあるひかる眼科では白内障手術を行なっております。いつでご相談ください。